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環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書

「気候変動」から「気候危機」へ

政府はこのたび、2020年版「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」「エネルギー白書」を閣議決定しました。

「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」の3つの白書は、環境省が環境問題の全体像を国民に分かりやすく示したもので、参加協力を促すために合冊し、第1部を総合的な施策等に関する報告、第2部を各分野の施策集とする2部構成となっています。2020年版では、「気候変動時代における私たちの役割」をテーマに、政府、自治体、企業、個人による脱炭素型、自立分散型の社会づくりに向けた具体的な取り組み、および新型コロナウイルス感染症に対する環境行政の対応について示しています。

第1部のうち、第1章「気候変動問題をはじめとした地球環境の危機」では、人間活動の増大による地球環境への大きな負荷が、気候変動問題や海洋プラスチックごみ汚染など様々な形で地域環境の危機をもたらしていると指摘しています。特に、気候変動問題は避けることができない緊喫の課題であり、今後、災害等の更なる頻発化・激甚化が予測される状況において、単なる「気候変動」ではなく、人類を含む全ての生き物の生存基盤を揺るがす「気候危機」だと明記しました。また、気候変動問題をはじめとした地球環境の危機に対応するためには、経済・社会システムや日常生活の在り方を大きく変える社会変革が不可欠だとしています。

 

ライフスタイルイノベーションを推進

第3章「一人一人から始まる社会変革に向けた取組」では、脱炭素型の持続可能な社会づくりに向けたライフスタイルイノベーションについて提示しています。

このうち、住まいについては、その他の資産と比較して耐久年数が長いことから、ライフサイクルにおける使用段階の環境負荷を削減することが重要だとしています。その上で、住まいの省エネルギー、再生可能エネルギー(再エネ)設備の導入やZEH化、再エネ由来の電気の購入等が、温室効果ガス排出量の大幅削減につながるとしています。

また、エネルギー消費量の「見える化」を通じたナッジ(人々が自分自身にとってより良い選択を自発的にとれるように手助けする政策手法)により行動変容を促進することや、地域の木材をはじめとする地域資源の持続可能な利用を通じて、地域循環共生圏づくりに貢献することの重要性を示しました。

 

エネルギー白書

2023年に卒FITが165万戸

資源エネルギー庁がとりまとめる「エネルギー白書」は、エネルギー政策基本法に基づくもので、その年の動向を踏まえた分析を示した第1部、内外エネルギーデータ集の第2部、施策集の第3部で構成されています。2020年版では、トピックとして、「福島復興の進捗」「災害・地政学リスクを踏まえたエネルギーシステム強靱化」「運用開始となるパリ協定への対応」について取り上げています。

このうち、「災害・地政学リスクを踏まえたエネルギーシステム強靱化」では、再エネの主力電源化に向けた取り組みについて整理されています。再エネの導入は、時限措置として2012年に開始された固定価格買取制度(以下、FIT制度)により急速に拡大、同制度開始後に新たに運転を開始した設備は、2019年9月末時点で約5,062万kW、認定を受けた設備は約8,918万kWに達しています。再エネ導入を一層加速し、主力電源化を図るためには、国際水準と比較して高い発電コストの低減の加速化と、FIT制度からの自立化が重要だと示しました。

また、FIT制度において、2023年度までに住宅用太陽光発電設備による余剰電力の買い取り期間が満了となる住宅が165万戸、発電設備容量では670万kWになることが記載されました。FIT期間満了後は、余剰電力について、EV(電気自動車)や蓄電池等と組み合わせて自家消費に役立てたり、消費し切れなかった余剰電力を電力会社に自由な契約で売買していくことなどが選択肢として挙げられます(図1)。今後、FIT対象外となった太陽光発電を柔軟に活用していくためにも、蓄エネルギー技術の更なるコスト低減が望まれると提言しています。

 

環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書

https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/index.html

 

エネルギー白書

https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/